大会長挨拶

第26回日本口腔顎顔面外傷学会総会・学術大会

大会長 亀井 和利

独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院 歯科口腔外科部長


第26回学術大会は、2025年8月1日(金)〜2日(土)に新横浜グレイスホテルにて開催される運びとなりました。開催に先駆け、関係各位の皆様から多大なるご尽力とご支援を賜っておりますことに、心より感謝申し上げます。


今回の学術大会は「根拠に基づく標準治療」をテーマとしました。標準治療とは、治療効果が最も効果的で安全とされる科学的根拠に基づく治療法を指します。しかし、外傷治療や手術の領域はランダム化比較試験が困難であり、標準治療の確立が難しいため、施設間で治療内容に差があることが懸念されます。本大会では、顎顔面外傷治療における標準治療を皆様と共に考察してまいりたいと存じます。そのために、様々なプログラムを予定しております。


8月1日(金)の教育講演では、全員参加型研修として「この骨折、みんなならどうしてる?」をタイトルに、臨床で頻回に遭遇するが治療方針に難渋する症例を供覧し、3名のエキスパートが壇上で各々の治療方針および経過についてプレゼンテーションいたします。参加の皆様には、その中で一名の治療方針を選んでいただき、その場で集計した結果を全体で討論する企画をご用意しております。顔面外傷治療に自信のある先生や、治療方針の決定に不安のある若手の先生をはじめ、会員の皆様が楽しんで参加ができる様に企画してみました。ぜひ奮ってご参加ください。


8月2日(土)のシンポジウムでは、「根拠に基づく標準治療」として、顎顔面外傷の治療に関し、3名のエキスパートがそれぞれ上顎骨骨折、下顎骨骨折、関節突起骨折について根拠に基づく標準治療について講演いたします。我が国の顎顔面外傷の治療成績の向上につながるような、最新で質の高い科学的根拠のある標準治療について皆様と議論できればと考えております。


特別講演では、庄古知久先生(東京女子医科大学附属足立医療センター救命センター長・救急医療科教授)による「救命救急の現場における選択と決断」についてご講演いただく予定です。庄古先生は、救命救急の第一線で数々の緊急事態に対応され、その豊富な経験と深い知識に基づく講演は、参加者にとって非常に貴重な機会となるでしょう。先生はこれまで国内外の災害医療現場に赴き、多くの命を救ってきた実績を持ち、災害医療・救急医療の現場での迅速な判断と行動がどれほど重要であるかを教えてくれます。


本学会の新横浜での開催は初めてとなります。新横浜へは新幹線や羽田空港からのアクセスが良好で、学会場は新横浜駅から徒歩1分です。中華街、みなとみらい、ラーメン博物館など見どころ溢れる横浜の地で、皆様と口腔顎顔面外傷についての活発な議論ができますことを、一同心よりお待ち申し上げております。